一緒に住んで、食事をとれば家族。
マリアの家に越してきて、1ヶ月が経とうとしている。
それまでスープの冷めない距離に住み、いい関係にあった
彼女と一緒に住むのは、あまりに距離が近くなりすぎて、
かえって嫌な面が見えてよくないのではないかと
不安に思い、引っ越してくるのは躊躇われていた。
しかし、それは取り越し苦労で、結果オーライだった。
もっと速く越してくれば良かったとさえ思っている。
フランス人のハウスメイト、アランとマリアとの3人の生活は
とてもうまくいっていると思う。少なくとも、
以前のポリーとの生活よりは静かでずっといい。
一緒に食事を取り、話し、共に生活をすることで、
血縁関係はなくても、家族になるのだと実感。
日本には、ハウスメイト文化はないが、人との共同生活は
気が合う人たちなら、あたたかく、とてもいい。
フランス人のハウスメイト、アラン
マリアは何かあれば口にすると思うので、
何もいってこないのは問題がないのだと思う。
アランは、わりと日本人寄りの礼儀正しいタイプなので
おそらく不満があっても言わないタイプだ。
私が提供する料理もおいしいといって食べてくれるが、
本当にそう思っているかはあやしい。
彼は、魚は食べるが肉は食べない。そのため、ちょっと気を遣う。
彼は物腰も柔らかく、気も使うし、気が利くし
優しいし、明るいしとてもいい人なのだと思う。
おそらく、大学でも評判のいい先生だろう。
だが、まだ知り合って日も浅く、本当はどんなことを
考えているのか、よくはわからない。
マリアが1週間いなかった時があり
サンクスギビングの週はアランと二人だった。
その間もいる時は、二人で食事をとっていた。
その間に、彼がUCLAの入門クラスで使ったスライドで、
日本の神戸や東北の震災のさまざまなデーターを見せてくれたり、
宮崎駿のアニメ、「風立ちぬ」の関東大震災のシーンを
一緒にみたりした、結構このひと月で距離が近くなったとは思う。
食文化の違い
人には驚かれるが、私たちは3人で食事を一緒に準備し、
3食をともにする。今朝も9時に食べ始め、政治の話から、
トヨタの新しく開発しているバッテリーの話や、空気汚染の話から、
いろいろな国の空気指標を比べたりして、食卓を離れたのは11時だ。
昼も夜も、いろいろ話すので、5時間前後は
食卓を囲んでいろいろ話している。日本にいた時とも、
ポリーの家にいた時ともかなり違う生活だ。
そして、この生活は私には、新鮮で、結構心地がいい。
マリアもアランもよく冗談を言っては笑う。
私は日本の家でそんなに冗談をいって、
みんなで笑ったりする記憶はないし、みんなで揃って食事をする
というルールもないので、それはとても楽しい。
しかし、食べ物は、オーブンで焼いた野菜やサーモンが中心だ。
味噌汁はよく作り一緒にみんなで食べるが、それでも肉や納豆
が恋しい。
正直、食文化が違う人と暮らすのはかなり難しい。
また、フランスタイムで夕飯の時間も遅く、
私は寝るまでに消化できず、最近はかなり胃の調子は悪い。
また、5時間半も食事にかけていると、かなり時間がなくなる。
今は私は研究のみで仕事はしていないので、それでも十分が時間が
あるが、ここに仕事が入るとなると、どうやって時間を
やりくりするのだろうと疑問に思う。
日本人コミュニティーだけで暮らしていると、
食文化の問題はないが、国際結婚となると、
毎日のことだけに、そういう食文化や言葉の問題は避けては通れない。
言葉の問題
引っ越す前から私はフランス語を話さないので、
言葉の不安はあった。今は私も挨拶程度はフランス語で
言うようにしている。Duoligoで少々勉強もしている。
しかし、今のところ、心配したほど言葉は問題ではない。
彼らも気を遣って意識して英語に切り替えてくれるときはあるものの、
二人は、フランス語でもあまり気にせず話している感じだ。
私も、その方が気が楽だ。
英語で話している時は、私にも聞いて参加して
欲しいんだと解釈するし、フランス語の時は、
私はスイッチをオフにしてただ彼らを眺め、聴いている。
それほど私自身もストレスには感じていないようだ。
ただ、他にフレンチスピーカーの客人が食事にくる時などは、
やはり私は遠慮することになる。
以前と変わったこと
同じ家にいることで前のように、マリアと散歩に行くことは
ほとんどなくなった。彼女の暮らしぶりをみていると、
今まで時間を作ってくれていたんだなあとつくづく思う。
二人で散歩してカフェにいったり、
アイスを食べたりする時間もすごく好きだったが、
今はいつでも会えるし、簡単にお互いの予定を把握できるので、
共同研究をするのにおいては最適な環境だ。
あるいみ勉強合宿状態だ。
この一年、彼女との時間を大事にしたいと思っている。
来週の木曜日には冬休みで、マリアのお嬢さん家族がくるので、
私はベニスビーチの日本人の友人宅に2週間お世話になる。
さて、どんな新生活が待っているのか。。
不安と期待半分半分である。