学者とはどういう仕事?
学生から、研究日や夏休みは何をしてるの?
と聞かれることがよくある。何もしてないと思っているのだ。
とはいえ、一口に説明しづらくて、たいがい研究とだけ、こたえてしまう。
しかし、下手をすると、大学の事務の人々も、
教授たちは、授業時間以外は、仕事をしていない
と思っている節がある。
授業じゃないんだから、暇でしょう?といった感じだ。
私が考える学者の仕事には、以下のものが含まれる。
- 研究
- 学会発表
- 執筆
- 雑誌に論文を掲載
- 論文や学会要旨の査読委員としての仕事
- 科研費などのファンドへの応募
- 大学で教える
- ゼミなどの学生指導
- 入試業務・大学のもろもろの委員会活動
- 学生の推薦状書きなどの雑務
この記事では、上記の1から3について説明したい。
私の分野の場合、研究とは
過去の文献を読み、問題を探し、データー分析し、
創造力を働かせ、その問題の解決法を提案すること。
ここで最低限必要なのは、研究に関係のある必要な文献を探し、
文献を読み、理解できる基礎知識。
そして、読書家であるほうが、当然ベースとなる知識量は多い。
熱意をもって問題解決に取り組めること、
必要なデーター、不必要なデーターを選別できること、
最後まであきらめず問題を解決すること、などだ。
簡単にまとめてしまったが、これを行い、
問題や謎が解決できた上で、やっと、
次のステップの学会発表にすすめる。
いよいよ学会発表
適切なフィードバックをもらうため、多くの学会の中から、
自分の研究内容にあった、発表したい学会を選ぶ。
招待講演でない限りは、自分で研究の要旨を
2ページ程度の紙にまとめ応募する、
3人程度の人からフィードバック・コメントが返ってきて、
受かれば発表ができる。
私の場合は、自分で航空券や宿をおさえるなどといった
学会の会場にいくための準備も行う。
研究内容を発表時間内におさまるようなパワーポイントに起こし、
当日配るプリントを作り、発表の練習を重ね、当日の学会発表に臨む。
学会での発表のあとは、質問タイムがある。
その時に批判されることや、今まで考えてなかった問題を
指摘されることがある。
それらを、上手に受け止め、大人の対応をすることが必要だ。
学者にとって、研究は自分の子供みたいなものだ。
批判されるとつい自己防衛的(ディフェンシブ)な態度をとってしまいがちだ。
私も学生の時は、そうで、よくマリアやルイに説教された。
とりあえず、質問されたら、いい質問ですねということだ。
その間に冷静になれる。
学会によっては、その発表を論文にし、学会誌に掲載してもらえる
ところもあるし、アジアでの学会は発表より先に、論文を提出して、
それが学会で論文集として配られる場合もある。
後者はコメントや質問の内容を論文に反映できないことになるので
あまり、いい方法ではないが気がする。
発表の準備もしながら、論文も書くのは負担だ。
論文を書く
次に学者の醍醐味ともいえる執筆だ。これもなかなか大変なプロセスだ。
まず論文の構成が悩ましい。今書いている論文もそうだが、
どういう順序で書けば一番読み手に、そして査読委員の人に受け入れて
もらえるだろうと悩むわけだ。色々変えてみては、試行錯誤する。
そして、私は英語で論文を書くので、英語の問題もある。
一応は書けても、冠詞などの細かいところが自信がないのだ。
大事な論文の時は、英語のネーティブスピーカー(母語話者)を探して
プルーフリーディング(英語を直す)をしてもらうので、
そのために、お金を払うなどというプロセスも加わる。
しかし、今はChat GPTで英語を直してもらえるだろうから、
その辺は、お金と時間が掛からなくなると思うと、とても助かる。
テクノロジーのこういう進歩はありがたい。
余談だが、先日も先輩に英語でメールを書いたのだが、
通じるだろうけど、間違ってるとこもあるかな、
もう一度読み直してから送るべきか、一瞬躊躇した。
そこで、Chat GPTに英語をチェックするように頼んでみたら、
喜んで!との返事。実はこの返事、結構、うれしかった。
そして、一瞬で直してくれるのだ。すごいよな。
で、おかげさまで、すぐに送ることができた。
さてと、今回の記事は、ここまでにしたい。
上記の仕事内容の4から6に関する記事は、こちら。