ハウスメイト、家賃滞納問題とシェアハウスのリスク

@ロサンゼルス

ハウスメイトのシャラスくん

インド人のUCLAの経済学部の大学院生であるシャラスは、
以前の記事でも紹介したように、気のいい、物知りな
楽しい青年なのだが、ここにきて、
だらしのない無責任な面が見えてきた。

この記事にあるように私のアイスやクッキーを
勝手に食べていたことも、今となって思えばその現れだったのだろう。

私は、それを、お金は天下の周りもの、自分のものはみんなのもの
というインド人の価値観からくるものなのか、
ただ本人の性格の問題なのか判断しかねていた。
なので、そんなことで、めくじらたててもと
目をつむっていたわけだ。

家賃を滞納していた?

シャラスとポリーはとても仲がよく、問題があるようには
見えなかったが、夏休みに入り、シャラスのキャンパスでの
アルバイトのシフトが減り、収入が減ったシャラスは
この2ヶ月家賃を滞納していたらしい。

シャラスに対してポリーは、ちょいちょい不満に思うことも
あったようだが、家賃滞納はかなり大きな問題だ。

ポリーは裕福である、そのため、シャラスは、
自分の家賃ぐらいなくても、たいしたことはない
と心の底で思っていたふしがあり、また冗談めかして
それを口にも出していたようだ。

しかし、それは当然間違っている

彼が家賃を払わなければ、彼女の手元の現金が減り、
銀行からお金を下ろしたり株を売ったりして、
生活用の資金を調達する必要がある。

するとその分の利子なり、配当金が得られなくなるので、
財産がプラスにならないだけでなく、実際はマイナスになるのだ。

素人の私でもわかるので、経済学部の彼がわからないわけがない。
しかし、ポリーと仲がいいことも相まって、甘えがあったのだろう。
ポリーは僕のことが好きだし、きっと待ってくれる
それこそ払わなくてもなんとかなる、と思っていたふしがある。

引き伸ばしてはいけない問題

また、ポリーも甘いと思う
お金のことは、さっさと解決すべきだったのだ。

2ヶ月滞納したのちに、彼は今インドに帰っており、
秋学期からはUCLAのキャンパスの近くに住むことにしたらしいので、
彼はもう、今現在、この家のハウスメイトではない

ポリーは、彼とはしょっちゅうテキストメッセージで
やりとりをしているようだ。私にも妹さんの婚約パーティーの
動画が送られてきた。彼も実家は当然裕福なのだ。
妹さんは、医者だし、婚約相手もまた医者だ。

それなら、親に話して、家賃を払って貰えばいい
と思うのだが、なぜかそれができないらしい。
おそらく家賃分のお金はもらっており、それを使い込んでしまい、
もう言い出せない状況なのではないかと推察される。

私がポリーなら、お金に困っていなくても
すぐにお金の問題は解決する。

払わないならここにはいさせられない、
というやりとりはあったようだ。そして、そういったやりとりは
私だったらすごくストレスになる。そういうことを仲のいい相手に
言わなければいけないと考えただけで、ものすごいストレスだ。

ポリーは初めは、いや、大丈夫、催促するぐらいは、
それは大したことはない。と言っていたが、
やはり時間が経ち、何度も催促を繰り返さなければならなくなると
ストレスになってきていたようだ。

いつ払うの?こんどの15日までに、、などと言ったやり取りを重ねていた。
アメリカ在住の叔父さんがシャラスの保証人になっているのだが、
ポリーもとうとう、堪忍袋の緒が切れかかり、2週間前には、
もし、15日までに振り込まれなければ、保証人の叔父さんに連絡をして、
彼に払ってもらうから!、とシャラスと言ったらしい。

それでも当然、まだ払われていなかった。

最終的には、家賃問題は、その後、ポリーが
彼の父親に息子がずっと家賃を払っていないので、
払って欲しいと連絡をする、ということで決着がついた。

このシャラスとの問題が、この記事にあるように、
私との問題にまで発展することになる。
しかもかなり重大な問題に。彼女はシャラスとの
お金の問題はさっそと決着をつけるべきだったのだ。

そのように彼女に告げたら、わかってる、
でも彼が成長するチャンスをあげたかったの、とのこと。
甘い、人はそう簡単には変わらないし、
彼女は彼の先生でも親でもないので、
成長するチャンスをあげる必要はないのだ。

友達とのお金の問題

この1年一緒に暮らして(彼はポリーのハウスメイトになって1年だ)
仲はよく、いろいろんことを話し、議論し、楽しかったと思う。
ポリーにしてみれば、孫のような
若い男の子とのおしゃべりは楽しいだろう。

実際、私と話すより彼と話といる方が楽しそうだ。
まあ、いいんだけど。

百歩譲って彼らは友達だとしよう。
友達なら、なおのこそ金銭問題は絶対タブーだ
お金の貸し借りは友情を壊し、信頼関係にひびをいらせる

困っている友達に貸すなら、あげる気で貸すべきだ
返ってきたらもうけもの、ぐらいの気持ちで

数十円のお金の貸し借りでも

先日、サンフランシスコで友人たちと大学時代の話に花が咲いた。
ある子は、コピーをとるとき、いつも持ち合わせがないので
立て替えてといって、数十円他の子達に払わせていたらしい。
当然、返さないし、こちらも、あまりに少額で請求できない。
ものすごくいやだった、というのだ。

そんな少額でも、こんなに何十年後になっても
話にあがるほどに、信用を失うのだ。
私は、自分の子供たちにはたとえ、数十円でも、
きちんと返す人になってもらいたい

数十円ぐらい、いいだろう、というのではなく、
この数十円返すことで、自分という人間の信頼度をあげているのだ、
と思ってほしい。たかが、数十円で、そのあとに相手に残る印象が全然違うのだ。
数十円が、のちのち何倍もの価値となって、二人の関係に残るのだ。

一方、食事の割り勘の端数などは、話が別だ。
それこそ、それを円単位できっちり払おう・払ってもらおうとすると、
ただのケチで細かい、面倒臭い人になる。

国が違う人とのお金の貸し借り

ただ、中国人の友人が彼女に数百万という多額のお金をかして
返してもらって、今でも親友だと言っていた。
そう言うケースもなきにしもあらずかもしれない、
が、まれだし、中国文化のせいかもしれない。

一方、私は大学院時代も、特にお金の貸し借りは
必ず少額でも返すのを忘れないように心がけていた。
同期の韓国人の友人が、レイはいつもお金をちゃんと返してくれるから、
気持ちよくいつでもお金が貸せる、と言ってくれたことがある。

大学院時代、友人とは、しょっちゅう一緒にいるのだ、
コーヒーを買いに行ったり、スナックを買ったり、買い物したり、
ランチを食べたり、、。お金の貸し借りなんてことも
しょっちゅうなのだ。

韓国人と日本人の私が、そして年も全然違うのに、
親友になれたのも、お金でお互い嫌な思いをしたことが一度もない
というのも理由の一つなのかもしれない。

家賃滞納の問題に話を戻して、、

話をシャラスに戻そう。私は、知り合って一年程度の関係で、
万単位のお金の貸し借りはあってはいけないと思う。

ポリーはわかっていないが、ハウスメイトを持つと言うことは
家賃を滞納する人が出てくれるかもしれない
というリスクがつきものだ。

ポリーの理想のシェアハウス生活

彼女はハウスメイト同士が、毎日ほがらかに会話して
お互いを思いやり、仲良く暮らすシェアハウスにしたい
と思っているらしい。夢見る夢子ちゃんだ。

それはあくまでも理想なのだ。
そして、ラッキーなことに、私とシャラスと彼女の3人の暮らしは
その理想にとても近いものだったと思う。

彼女は1年半前にご主人が亡くなってから
ハウスメイトをとりはじめたので、シャラスが初めてのハウスメイトだ、
そして私。(その前に知り合いのお嬢さんが数ヶ月すんでいたが、
それを除くと)つまり、ポリーはかなりハウスメイトには
恵まれてると言える。(今回の家賃問題を除くと)

彼女は、今以上にもっと完璧なシェアハウス生活
送りたいと思っている。仲良く和気あいあいとした
ドラマにでてくるようなシェアハウス生活だ。
ただの、寮のように、寝に帰るだけで、
互いに関わらない生活はごめんだと。

シェアハウスのリスク

この世の中には、さまざまな人がいる。
いくら、UCLAやUSCに通う大学生、大学院生だと言っても、
アメリカは人種もさまざまだ。

日本の私の勤務大学では、エレベーターでもめた学生が
去年殴り合いの喧嘩になり一人退学させられた。
そんな大学生と住むことを考えるとぞっとする

私のゼミ生でも、この子とはシェアハウスは絶対無理
と思う学生は結構いる。たとえ、東大のように優秀な学生で
あってもそう言う子は当然いる。

そう、冷静に考えると、シェアハウスはかなりのリスクが伴うビジネスだ。
まあ、シェアハウスに住んでる、私もかなりのリスクを負ってるわけだ。

今のシェアハウスのように、うまく行くのは、かなりまれである。
そして赤の他人を家に入れるのは、それなりのリスクが伴うのだ。
そのリスクを背負う覚悟なしでするべきビジネスではない
正直、私はポリーはそれをわかっていない気がする。

タイトルとURLをコピーしました