サバティカルというのは、自分の所属する大学以外の研究機関に席をおき、
学生を教えることなく、研究にうちこめる機会をもらえるというものだ。
うちの大学は勤め始めて4年目以降から、
希望すればサバティカルをとれることになっており、
一度とると、そのあとは6年たてばまたとる資格がもらえる。
しかし、子供がいるとなかなか難しいのが現実で、
私は今回初のサバティカルとなる。(最初で最後の可能性大)
子供が小さい人は、一緒に海外につれていったりする人もいるが、
私は子供が中学や高校に入っていたので、サバティカルを考えたことはなかった。
基本面倒くさがり屋で、サバティカルにともなう様々な準備を考えたり、
金銭的にも漠然と不安を感じたりと億劫で申請したことはなかった。
今回行くことが出来るのは、幸運が重なったお陰かもしれない。
自分の所属する学部が2つの学科に別れることになり、その新しい学科に所属する場合は、
文部科学省の縛りがあり今後6年程度、辞めるのはもちろん、
サバティカルも基本とることはできないということを知ったからである。
人間、自分で欲しいとは思っていなくても、今後手に入らないと言われると、
急に欲しくなるものだ。お店で最後の一つだと聞いて、買ってしまうのと同じ心理だ。
そのため、今回のサバティカル行きを決めたのは4年ほど前である。
2023年には、娘は就職し息子は大学3年になる、
子供をおいて単身海外にいけなくはない。
さまざまな準備を考えると憂鬱だが、なんせずっと先のことだ。
とりあえず、学部にサバティカル希望の旨を伝えた。
そのあと、コロナが蔓延し、その年にサバティカルを希望していた先生方は、
あきらめないといけないということもあったのだが、
その点、現在はコロナも下火になり3月からはマスクさえも外せるという状況まで回復。
偶然だがラッキーだった。
40代後半から50代の女性は更年期の時期であり、体調がすぐれない人もいる。
そしてひどくはないものの、私もあっちこっち不調を抱えている。
それがここのところ、ずいぶん調子が良い。
やはり体調が悪いと、何もやる気はおきないし、
海外で一人暮らしなんていうのは、とても考えられない。
30代にボストン、ロサンゼルスでくらしていたのだが、
あのころとは、さまざまな面で違うのである。
人生には、流れがあって、そうしたいと思っても、なぜかいろいろなことが邪魔して
思うようにいかないことがあり、その流れに逆らってまで無理を通しても、
結局はもっと困難が待ち受けてたりする。
一方、意外とトントン拍子に物事が進むこともある。
そういうときは、素直に流れにのってみる。きっといい経験ができるだろう。