最近思うこと(1):少子化そして二つの社会

健康

生活の変化、進化

なんでも新しいことを始めるのは億劫である。
特に私の年代になると、若者がやっている様々なことは、
「若者の物」という気がしてやってみようとは思わないことも多い。

その点、子供がいると彼らを通じて、若者がやっていることが見えるし、
彼らに教わることで、ある意味、時代の変化についていける。

少子化問題の中で、そういう視点はあまり話題にのぼらないが、
年金問題だけでなく、そういったことも重大な問題だと思う。

子供や孫がいない高齢者と子供や孫がいる高齢者とでは、
最新のIT、AIを含めた社会の変化に気付けるか、また、
それらを積極的に自分の生活に取り入れられるかが変わってくる。
意識して見ようとしなければ、変化に気づかないこともあるだろう。

職場の先輩

この記事に書いた、去年68歳で亡くなった職場の先輩は、
独身でコンピューターもタブレットも使うことなく、
携帯だけでコロナ禍のオンライン授業を乗り切っていた。
携帯だけとなるとできることが限られる上に、
「メールなどの添付資料は見れない」とおっしゃっていたので、
どのような授業を行なっていたのかは、かなり疑問である。

入試問題の作成では新聞や本のコピーを切り貼りし、問いは手書きだった。
また、教授会などのオンライン会議に参加されることはなかった。

でも、彼女は人柄はよく、明るくて社交的で、
いまいち憎めない人だった。 そのため
私も全く手を差し伸べなかったわけではない。

一度、私がタブレットをオンラインで購入するために、必要なものをすべて
バーチャルのカゴに入れて、そのリンクを彼女に送ったことがあった。
しかし、それでも結局彼女が購入することはなかった。
今思うと、オンラインで購入というのも
彼女にはハードルが高かったのかもしれない。

当然、うちの大学にもITの部署はあり、学ぼうと思えば
自分でそこに行って、手取り足取り教えてもらうことはできたはずだ。
しかし、もう彼女は諦めていて、新しいものを学ぶ気はなかったのだと思う。

そういった人でも、子供がいて教えてくれる
となるとずっとITのハードルは低い。

年齢のせいではないのは確かだ。私のアドバイザーのマリアは
いつでも新しいものを学ぼうとするし、
何か新しいテクニックを学ぶと私に教えてくれる。

高齢者と若者の二つの社会

何年か前に確定申告に行った時に、
二つのタイプの人に分かれて並ばされた。

パソコンを使える人とパソコンを使ったことがない人。
後者にはスマートフォンを持っていない人も多かった。
そして後者に多くの年配の方が並んでいた。
こんなにも多くの人が時代に取り残されているのかと思い胸がいたんだ。

おそらく、周りに手伝ってくれたり、教えてくれる
若者がいないんだろう。子供がいても仲が良くなくて
交流がないのかもしれない。

銀行の通帳も廃止されつつあるし、カードの利用明細も
最近はオンラインで、紙での郵送を頼むとなるとお金がかかる。
まだ日本は遅れてはいるが、現金もそのうち使われなくなるだろう。
銀行の窓口も無くなってくるだろうし、時代は確実に変わっている。

スマートフォンを使いこなせない人は、今後どうするのだろう。

少子化は、高齢者と若者の間に壁を作り分裂につながってしまう。
1つの国なのに、二つの社会がある状態だ。
すると、行政も二つの社会に対応することが必要に
なるために、当然経費も人員も倍必要となる。

ヨガの仲間たち

しかし、子供のいない高齢者たちも年代が違う人と友達になれば
状況は全然変わってくる。それは年配者にとってもいいことだが、
若者にとってもまた、すごくいいことである。

私には2ヶ月に1度くらいの頻度で会う、ヨガクラスで一緒だった
8人程度の仲間がいる。上は80代から下は30代。
今にうちの娘とその彼もそのグループにいれたいと
思っているので、そうすれば20代まで。

 60代後半、70代の人たちは、ものすごくアクティブだ。
そしていろいろなことを経験しているので
聞くとなんでも知っていて教えてくれる。
自分の母と仲良くない私には、彼らの知恵は本当にありがたい。

主に健康のことだが、一時期、テニス肘になり腕が
痛かったことがある、その時に体操やら、サポーターやら
いろいろ紹介してくれた。

そして先日はこの記事に書いたように足底筋膜炎の私のために、
家にあるいろいろな種類の靴のインソール
見せてくれたり、足の病院を教えてくれたり、
足の悩みに寄り添ってくれる靴屋さんも紹介してくれた。

自分の持つ悩みを経験したことがあり、
すでに乗り越えたことがある人生の先輩に
直接、話を聞けるのはすごくありがたい。

みんなにそういった仲間がいれば、
お互いに知っていることを教え合うことができて、
(今の所、私は教えてもらうばかりだが)
一緒に変化していくことができて、社会の分断を防げる気がする。

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